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早池峰山は、岩手県のほぼ中央に岐立する北上山系の最高峰であり、 昔から神の住む霊山として信仰されていました。 この山の中腹に岳-だけ-という13戸ほどの小さな部落があり、 ここに伝えられているのが早池峰山伏神楽-はやちねやまぶしかぐら-なのです。 |
岳から15kmほど下った田園地帯に大償-おおつぐない-という部落があり、 ここにも伝承されており、ともに無形文化財として国の指定を受けています。 それぞれに、その流れをくむ弟子神楽が多く、早池峰山麓の町や村の人々の生活の中に根をおろし、 今もなお息づいており、祭典や慶事には神楽が舞われます。 |
民俗芸能の研究者によれば、岳神楽は、舞の形、衣装、道具など、ほぼ600年原形をとどめており、 舞楽、田楽の流れをくみ、今日の能大成以前の姿を残しているといわれます。 |
山伏神楽は、神の住む険しい山で修行して験力-げんりょく-(超自然的な力)を身につけた山伏たちが、 山からおりてきて、村々を回って行う加持祈祷の呪法の舞でした。 東北の山伏たちは、権現-ごんげん-(山の神霊・・・獅子頭で山伏神楽の最高神)をかついで 神楽を舞いながら、 修験道をひろめ、霞(なわばり)を広げていったのです。 |
山伏神楽は、奥羽山脈を境にして、日本海側では、番楽、舞曲、獅子舞などといわれ、 太平洋側では、 山伏神楽、権現舞、能舞などとよばれています。 |
岳の山伏たちは、山麓の農民たちがとりいれを終わる霜月(11月)から翌年の2月頃まで、 権現をかついで霞をまわります。 |
舞で「清め、火伏-ひぶせ-、五穀豊穣-ごこくほうじょう-」などを祈祷し、 泊まりの宿ではその一間に神座を設けて、神楽を演じました。 村の人たちはその宿を訪ね、酒をのみかわしながら夜の更けるのも忘れて神楽を楽しんだのです。 また、舞い手の身につけた着物には「法力」がつくと信じられ、婚礼や出産を控えた家では、 着物を仕立てて神楽がまわってくるのを待っていたといいます。 |
かつて、子どもたちは、幼少のころから神楽を厳しく仕込まれ、 100日余りにわたる廻り神楽の旅がありました。 |
権現舞
桟織(はたおり)の舞 | 鶏舞(とりまい) | 大八幡舞 | 太鼓と笛 | 観客 | 初午の火伏 1 |
初午の火伏 2 | 初午の門打(かどうち)火伏 | 火伏せ 旧暦2月1日 | 稲田姫 1 | 稲田姫 2 | 岳神楽 |